現役性感エステ嬢が語る「いい風俗嬢」とは
性感エステ――私の職場です。風俗の世界では、まだ「軽いやつ」みたいな感じでしょうか。女の子の身体に触れるのは禁止で、フェラもなし。手コキで発射をお手伝いするだけです。ただ、その種のソフトサービスというのは、意外に生き残りが難しい現場でもあります。
色気を出してお店で決められたルールを破り、お客さんにとっての「いい風俗嬢」になっても生き残れるとは限りません。といって通り一遍のサービスしかしないと、それはお客さんにとっての「だめな風俗嬢」で、お店からも大事にされなくなってきます。
どちらかといえば先にやっていけなくなるのは、「だめな風俗嬢」です。マッサージのテクニックもなく、性感にも不慣れで、愛想もなく機械のように手コキをする女の子というのは、お客さんにとっては「買って失敗だった商品」でしょうから、当たり前ですよね。
風俗にやってくる男性客というのは、誰も彼も少なからず「ワンチャンス」を願っているものです。まさか性感で本番ができると期待している人はいないでしょうが、通常のサービスに+αした、その子の「人柄」が出るサービスを必ず欲しているのだと、この業界で4年やってきて身に染みてわかってきました。
「あの子、サービスは普通だったけど、愛嬌のあるいい子だったな」
「マッサージも上手だし、手コキもソフトで良かったな」
「単純に可愛かった! あんな子に触ってもらえるなんて、夢みたいだ」
というように、過剰サービス(うちのお店なら大体がフェラですが)を与えずとも、個々のキャストが持つ「付加価値」をうまく売れば男性には満足してもらえるものなんです。
どこのお店もそうだと思いますが、通常、自分以外の女の子たちがどんなサービスをしているのかを見ることはできません。仲間内でそんな生々しい話をすることもありませんしね。
ただ、本当のプロは、裏側でもお客さんの悪口は言いませんし、スタッフに「こんな客は無理だから」みたいな要求をつきつけることもありません。その点、私なんかはまだまだ未熟で、生理的にムリという客に対してはつい冷ややかな対応になったりします。
<過剰サービスでの指名獲得は長続きしない>
私がこれまで性感で親しくなった仲間たちは、みんな、過剰サービスは避けてきた人ばかりでした。単純にそこまでお金に困っているというわけでもないという事情もあるのかもしれませんが、私の感覚からいえば、「客には触れてほしくない」という本音も大きいと思います。
けれど、お店のルールを破って客と個人的に契約を交わしてフェラをしたり、他の子に差をつけた過剰サービスで指名を獲得している子も、もちろんいます。ただ、私には素朴な疑問もあって、「じゃあソープに行けば?」という感じなんですが、彼女らの言い分としては、「自分がその気になったときにだけお小遣いを貰ってプレイするんだ~」というものですから、頭の緩いようで、なかなか深い考えがあるんだな、と感心してしまいました(笑)
ただ、過剰サービスを許す嬢の寿命というのは、やっぱり長くありません。
以前、うちでナンバー1を貼っていたKがそうでした。Kは、まあよくある話かもしれませんが、「なんであなたが風俗に!?」というようなルックスで、客にもスタッフにもニコニコと接していて、入店から3か月という短期間で圧倒的な人気を集めてナンバー1に。
でも、しばらくして、どうやらKは過剰サービスをしているらしいという噂が店内に流れ出しました。
それもフェラだけでなく、本番をさせている、と――私は彼女と個人的に親しかったこともあって「まさか」と思っていたのですが、その頃よく私を指名してくれていたお客さんから、「こないだKちゃんが、自分から『本番*万でどう?』って言ってきて驚いたよ」と言われ、「あーこれマジなんだ」と思い、そのときは本当にガッカリでした。
もし自分がお客さんなら、Kみたいな可愛い子が裏オプションを提示してきたら、あるいは「よっしゃ!」とも思うのかもしれませんが、中には、「店もグルになった罠なんじゃないか」みたいに勘ぐる人もいるでしょう。実際、あまり気分が良くないと感じた人もいるようで、お店にもクレームが入り、Kは店長から厳重注意を受けていました。
でも、一度Kがそのようなサービスを許したためにネットで評判が出回り、今度はお店の風紀が乱れてきたんです。マナーの悪い、いわゆる「痛客」が増えてきて、他の女の子にまで迷惑がかかるようになってきました。私も当時は、毎回のように「本番いくら?」などと言われて、ずいぶんと不快な思いをしました。
そして、お店に迷惑をかけていることと、過剰サービスの重圧にKも徐々に耐えられなくなってきたようです。これまで誰に対してもニコニコとした態度を崩さなかったKが豹変したように些細なことでも苛々したり、お店のスタッフに偉そうな口を聞いたりして、挙句、無断欠勤を続けて罰金が重なる中で、ある日、ぴたりと出勤してこなくなりました。
あとから聞いた話ですが、Kはサービス中に、お酒を飲みながらお客さんに愚痴をこぼすことも多かったそうです。ただでさえ人気が出たはずなのに、自分で許した過剰サービスのためにお店での信頼まで失い、精神的にもとことん追い詰められていたのでしょう。
<お店にとって風俗嬢は使い捨ての存在?>
Kのことを思い出すと、私も心の底から「気を付けないと」と思うのですが、お店にとっては過剰サービスを許す女の子というのは、それが具体的なトラブルにはならない限り都合のいい存在みたいです。単純に客寄せにもなるし、結果的に過剰サービスで潰れていったとしても、自業自得。要は、女の子は「使い捨て」みたいに考えられています。
どちらかといえば、店の評判を落とすのは接客に愛想もなく、適当なサービスを繰り返してお客さんに悪印象を植え付ける嬢です。
それと比べると、Kのような風俗嬢はお店にとっては便利な存在だったでしょう。Kの本番行為が発覚したとき、「厳重注意」で済ましていた店長の思惑も想像に容易いものです。
<「なんであの子が?」と言われている私>
最後に自分の話をするのも恥ずかしいのですが、私、実はこの二年、同じお店でずっとランカーです。私は特にルックスがとりたてて良いわけでもないし、どちらかというと地味という感じがします。裏でキャストから、「なんであの子が?」と言われているのは知っています(笑)
ただ、たぶんその普通さというか、日常生活の延長線上にいそうな感じが、お客さんからすればいいのではないかと思います。自分で言うのも変ですが、私は昔から人に「いい子いい子」と言われてきた方。そんな子にサービスされていることに、お客さんは絶妙な背徳感を覚えるんでしょう。
ただ、拒むところはきちっと拒んで、おさわりはさせないので、それが原因でナンバー1にはなれないんですけどね(笑)まあ、Kのことを考えれば、やはり一線は保つべきです。
私が思う「いい風俗嬢」、「稼げる風俗嬢」というのは、自分がそのように実践しているように、あらゆる意味で「いい子」なことだと思います。そして、ダメなことにはダメということ。この業界で心を守りながら長く働くためには、NGをはっきりさせることもすごく重要なんです。
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